中世洋風のいわゆる王道RPGならば、この辺の設定は単純明快である。「人々の平和を脅かす悪の魔王を倒すべく、主人公が魔王の放つモンスターを倒しながら魔王の元へ向かう」というのがベタな展開だが、単純ながらもズレは全く無い。
普段RPGを開発中は現代和風世界しか頭に無い作者であるが、正直次回作のメインシナリオはまるでまとまっていない。ここは意表を突いて、王道RPGの世界観でシナリオを構築してみるとしよう。本当にベタな内容なので突っ込みどころ満載だろうが、その辺は何卒スルーして頂きたい。
OP直後、主人公はどこか辺境の村の自宅のベッドで目を覚ます。剣の腕の立つ男だが、わけあってこの村で暮らしている。家族は居ない。いつもと変わらない朝である。外へ出れば村人達が農作業をしていて、日常会話を交わしながら各種情報を得る。村長の家に行くと、村の外へ行って悪事を繰り返す魔物退治をして来るように依頼を受け、いざ出撃!洞窟の奥でボスを倒すと、その死に際に魔王がまさに世界を支配しようとしている忠告を聞かされる。主人公が村に帰れば、既に魔物達に襲われた後だった。辛うじて息のある村人からダイイングメッセージを受け取り、悲しむ間も無く主人公は遠くへと旅立つのであった。
RPGの開発では、戦闘システムとそれに直結するシナリオが具体化しないことには全く先に進めない。小説やADVならば各種世界観の設定だけで特に制限無くシナリオは構築できるかもしれないが、RPGのシナリオには戦いへ導く場面を入れなければならないのである。
でもRPGの言葉の意味からすれば戦闘の要素は必須事項ではないし、実際に戦闘の無いRPGも存在するのではないか!?それについてはずっと昔から何度も書いているのでここでは割愛する。当局で開発しているのは、戦闘を繰り返してシナリオを進める”一般に認知されたシステムのRPG”である。
さて、シナリオ上で戦いの場面を用意するには「何のために主人公は戦うか?」「何故敵が主人公に戦いを挑むのか?」が必要であろう。主人公が何の目的も無く破壊や殺戮を繰り返せば”タダの危ないテロリスト”になってしまうし、歩いているだけで理不尽に襲われ続けたりしたら”タダの危ない人達がうごめく町”と化してしまう。そういう設定下で戦闘を繰り返すことを重視したRPGも存在するが、今までの議論に従えば当局の目指す路線とは逸脱してしまうので悪しからず。どんなにダークな場面があろうとも、その町で展開される現代社会の人間模様を描くのが「盈虚都市」の基本方針である。
次回作では、主人公:亜紀が首都:大都から形県罰三市へ引っ越すところから物語は始まることになる。となるとどのタイミングでOPとなるか?具体的には決まっていないが、「月影の駅」では大都でのイベントシーンは回想のみにとどまっていた。その流れで行くならば、次回作でも大都は回想でしか登場しない公算が大きい。
「盈虚都市」の「盈」が首都:大都ならば、「虚」はそれぞれの舞台となる地方都市ということになるのか!?中央と地方との格差が叫ばれている御時世ならば、そういう風にとらえることもできるだろう。
発展を続ける首都は、パッとしない地方から見れば遠い存在である。だからこれからもずっと回想シーンや台詞にとどめておいた方が、演出としてはいいかもしれない。それじゃあ物語のメイン舞台に大都が選ばれたら一体どうなるのだ?いつかそれもあるだろうが、大都会には一つの町に光と闇が混在するものである。ならばすぐに解決するだろう。
ところでずっと次回作次回作…と引っ張っているが、そのタイトルは一体どうなっているのか?それは既に決まっている。でもまだ発表するには時期尚早と考えている。記事を書いている時は何ともまどろっこしいのだが、まだしばらくは「次回作」にとどめておくことにする。
それじゃあ親タイトルは「盈虚都市」で、第0作(盈虚都市シリーズとして扱うと第1作ではない)が「月影の駅」ならば、ネーミングに何か法則性や共通性は無いのか?それはある。国名である「月」又は「月にちなんだ単語」を入れなければならないという決まりを設けている。それ以外は特に設けていない。
ならば「盈虚都市」のどこにそんなものがあるのか?それは「盈虚」という単語を辞書で調べれば分かる。各自で調べておくれ…というと投げやりになってしまうので答えてしまうとする。元々の意味は「月の満ち欠けの様子」、それが転じて「栄えることと衰えること」を意味するようにもなった。
かくして「盈虚都市」とは、月本国内それぞれの町の情勢を織り交ぜながら、そこで起きる人間模様を描く物語ということになる。「盈虚」という言葉は町の盛衰と同時に貧富の差の大きい格差社会の意味としても使っているわけだが、果たして次回作ではどうなることやら…!?
月本地理の設定が執拗なまでに細かいのは、日本地理がそうであるからに他ならない。「盈虚都市」シリーズは短編とあって、結果的には一つの町でシナリオが収まってしまっている。今は作品が一つしかないが、やがて作品数が多くなればいずれは舞台となる町も数多く登場することになるだろう。そしてそれらの町がすべて月本国内に存在するならば、一つ一つが独立した作品であっても必ず町や地名を通して接点が生じることになる。過去に登場した町が再登場したり、台詞でしか登場しなかった地名がある時突然舞台となったり…といったことも発生するだろう。
まだまだ作品数も増えていないどころか素材さえまともにできていないというのに、随分と大それた計画である。確かに後で矛盾を生じさせないためには設定自体も大掛かりなものにしておく必要があるのだが、それにしてもでか過ぎる。大体ゲームの攻略に直接関与しないような地名を多数登場させたところでプレーヤーが訳わかめになってしまうだろう。その辺は百も承知だが、「常に月本国のどこかを旅している」という感覚をプレーヤーに与える上では不可欠な設定なのである。いや、もはや設定という言葉で片付けてはいない。BGMのような舞台演出として扱っている。
「月影の駅」の舞台は蛯原県波見市だった。そして次回作の舞台は形県罰三市である。首都:大都を始め、その他の地名が登場する機会はぼちぼちあるが、今のところシナリオの途中で他の町へ移動して舞台が複数の町にまたがるということはない。
これらは「盈虚都市」として一応シリーズ物のように扱ってはいる。戦闘や各種システムについては大まかな流れを引き継ぐことになるが、登場人物やシナリオはバラバラである。前作の続きからプレーしなければならないといったシステムは全く考えておらず、個々の作品は独立したものと考えてよい。
別々の作品をシリーズ物として扱うならば、たとえ同じ作者の作品であっても、それ以外に共通要素が無ければ無理矢理なことになってしまう。ならば「盈虚都市」シリーズではそれが何か?といえば、「舞台が月本国のどこかである」ということである。
ファンタジーものの創作物でよくあるのは時空間移動である。タイムリープの話が出てきたが、ついでに言えば空間移動ネタの案が出たこともあった。
月本国は作者の脳内で生成された架空の国家であり、もちろん現実には存在しない。そしてその元ネタは当然日本国をパクったものである。RPGで「ファンタジー」というとどうしても剣と魔法の中世洋風世界を連想してしまうが、この言葉の意味はあくまで「空想」なので、別に世界観が現代和風でも使って構わない。
そこで月本国のどこかと日本国をどこかを亜空間の扉で結んでしまい、現実世界の日本人が何かの拍子で月本国へ移動してしまうという設定を考えたのであった。もちろんその逆のパターンでもよいのだが、前者の方が舞台となる町が架空となるので自由自在に作りやすいだろう。
これらについては完全に却下したわけではない。いつかやってもいいような気はするが、次回作では考えていない。ネタに尽きたら本当にやろうかなんて企んではいるが…でも架空世界とはいえ、時空間移動という非現実的な要素はやっぱり受け入れにくいのが現実である。夢の無い作者でめんぼくない…。
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